「やあ、今日も寒いね。」 「当たり前だろう冬だもの。」 「どうして君はこういう受け答えしかできないのかな、これは、世間話の挨拶のようなものさ。寒いと言われたら君は、そうだね ー、本当に今日は寒い日だねと答えればいいの。これぞ、コミュニケーションっていうものだろ。」 「そうなのかい、おいらは、いつに比べて寒いのか分からないし、冬だから寒いのは当たり前だし、わざわざ寒いと言わなくても 分かると思って言ったに過ぎないよ。なにかい、君は気分を害したのかな。それならば誤るよ。でも、君と僕の仲じゃないか寒 いと言われて当たり前だと言ってもいいじゃあないか。これも、コミュニケーションの一つだと思うんだけどね。」 「いや、君みたいな受け答えは良くないよ。」 「何が良くないのだい。」 「そういうように言う事さ。」 「わからないな、冬は寒いのは当たり前だろう。それに寒さとは、自分の中の基準でしかないんだよ。温度計で何度までが寒い のかい。もし、南極に居る人が、この場所に来たとしたらどうだろう、暖かいと言えないだろうか。」 「まあ、いいさ、こんな事話していたって仕方がない。君が言っている事は、屁理屈って言うんだ。」 「そうかい。それならば、やめるよ。今日は寒いね。」 「うん、寒い。寒さが身にしみる今日この頃さ、こういう日は暖かい温泉にでも行きたいね。」 「行けばいいじゃあないか。」 「また、そういうことを言う。行けたら行きたいけどなかなか行けないんだ。」 「ならば、最初からそう言えばいい。」 「君は、寒いとき暖かくなるような事を考えないのかい。」 「考えるよ。こんな寒い日は服を着込んで暖かい格好をする。それか、運動をして体を温める、それか、早く暖房の効いた部屋 に行く、というようなことを考えるね。」 「夢がないな。南国へ行ってビーチで寝転がりたいとか思わないのかい。」 「そんなことを思ったとしても寒いものは暖かくならないよ。やはり、今、出来る事を考えなくてはいけないね。」 「そうかい、でも、寒いときに寒いことを考えるより暖かい事を考えたほうがいいだろう。」 「おいらは、暖かいことを考えているんだけどね。」 「もっと、心温まるようなことさ。」 「体を暖かくして心を温めるか。」 「そうさ。」 「前、話した精神力のようなものだね。」 「うーん。そうだね。」 「じゃあ、おいらは走って帰るよ。こんなところで君と話していたら風邪をひくからね。」 「そうかい、いま、僕は君と話をしていたら暖かくなったんだけどね。」 「おいらは、寒い。君は暖かい。今日は寒いのかい、暖かいのかい。」 「寒いに決まっているじゃあないか。冬だもの。」 「じゃあ、帰ろう。」
|
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||