「なんだい君は、また、鉢巻をしているのかい。」 「そうさ、この鉢巻で今日は気合を入れていたからね。」 「何をそんなに気合を入れていたのだい。」 「それは、決まっているだろう大掃除さ。」 「そうかい。大掃除か。新年に向けて大掃除をしようって張り切っていたのか。どうりで顔が黒いと思った。」 「えっ、そんなに顔が黒いのかい。」 「ああ、真っ黒さ。何処を掃除したんだい。」 「いや、僕の部屋さ。掃除をしていると、埃が凄いね。掃除機が気の毒だよ。悲鳴をあげていたね。」 「掃除機が、気の毒?掃除機が悲鳴を上げている?君、可笑しな事を言うね。掃除機はそもそも、物を吸い込むように作られて いるんだ。逆に嬉しがって悲鳴をあげていたんじゃあないのかい。」 「いや、違うんだ。あまりにも塵が多いから詰まって悲鳴を上げていたんだ。僕は、掃除機で掃除をするとき、掃除機と友達にな るからね。掃除機の気持ちが分かるんだよ。それに、たまに、小銭を吸い込んでしまって僕も悲鳴を上げちゃっていたね。」 「君は、どんな部屋に住んでいるんだい。」 「普通の部屋だよ。しかし、塵は溜まる一方だね。やっと、掃除をして綺麗になったよ。これで、気持ちよく新年を迎える事が出 来そうな感じだね。ところで、君は掃除をしたのかい。」 「ああ、おいらも掃除をしたよ。君と一緒で気持ちよく新年を迎える為にね。でも、月に一度は、くまなく部屋を掃除しているか ら、そんなに綺麗になったっていう感じはしないね。」 「ふーん、君は綺麗好きなんだね。」 「いや、特に綺麗好きという訳ではないさ。やらなければならない事をやっているだけさ。」 「よーし、僕も君に見習って、これからは、月に一度は大掃除をするようにしようかな。」 「おいらを見習う必要はないさ。君が掃除をしたいと思ったときに掃除をするといいよ。おいらは、掃除をしたいと思う時が月に一 度の頻度ということだけなんだ。」 「僕は、掃除をする気にならないな。」 「君だって今はする気になっているじゃあないか。そういうときに掃除はするものだよ。」 「いや、これは、一時的なもので、すぐ、忘れてしまうんだよ。」 「そうかい。ならば、君の部屋の中で一番目に付く位置に掃除グッツをおいておくといいよ。掃除をしたくなるから。」 「それもそうだね。だいたい、掃除をしたくないのは、部屋が汚くなってくるから、まあ、いいやと思い汚くなるんだよね。塵も積も れば山となるって言葉があるけど塵が積もりだすと山にしたくなってしまうんだよね。だから、常に綺麗な場所だと綺麗にしたく なるものだね。大理石で出来たようなピカピカの宮殿を歩く時には、靴で汚れないか気になるものね。それとか、高級な絨毯の 上を靴で歩くときとか。」 「へー、凄いね、そんな場面が君にはあるのかい。」 「あー、あるさ、僕の睡眠時にね。」 「なんだ、夢の中の話かい。てっきり僕は、部屋の中を土足で暮らしているのかと思ったよ。」 「そうかい、僕ってそんなに日本人離れしているかい。」 「いや、日本人そのままだよ。」 「あー、そうだ思い出した。」 「何を?」 「風呂に入る事だよ。早く部屋に帰って風呂に入ろうと。じゃあね。」 「そうかい。僕も新年にそなえて帰るとするか。」
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