「うーん、うーん」
「何をそんなに唸っているんだい」
「いや、あのね、なんかさ、調子がでないんだ」
「なんの、調子が出ないんだい」
「すべてにおいてさ、やる事、なすこと、すべてが、失敗ばかり」
「そんな時もあるさ」
「そうだね、まあ、そうさ」
「立ち直りが早いね」
「いや、僕は立ち直りの早さと、飯を食べる速さは誰にも負けない」
「ふーん、それは良かったね」
「あのさ、最近さ、飯を食べ過ぎて、太ってきたんだけどね、こんな時もあるよね」
「何をそんなに、唸っていたかと思ったら、体重を気にしていたのか」
「そうなんだ、君は体重を気にしないのかい」
「おいらは、太らないし、痩せないし、体重は一定だから、体重の事は気にしないんだ」
「信じられないな、そんなこと」
「本当だから、仕方がない」
「なんか、やっているのかい、運動とか、健康とか」
「いや、特に、運動はやっていない、やっているとすれば、毎朝、三十分位ジョギングするだけかな」
「ふーん、それでか、やはり、ジョギングは体にいいんだろう」
「別に、おいらは、ジョギングは、体にいいとは思っていないね」
「じゃあ、なんで、走っているのさ」
「走りたいからに決まっているじゃあないか」
「走りたいっていうことは、何か、体に良い事があるから走りたいんじゃあないのかい」
「いいや、単に、走ることが好きなだけさ」
「そんなこと、あるはずがないよ、大体、走り終えた後の爽快感だとか、走っていると気持ち良いだとかあるだろ」
「あのね、別に、そんな事が、好きなんじゃあないよ、走るという行為が好きなんだ」
「ふーん、僕は、走るという行為は嫌いだけどね」
「嫌いならば、嫌いでいいよ」
「そうかい、でも、最近、運動不足でさ、何か運動でもしようと思っていたところなんだ」
「それならば、運動をすればいい」
「でも、やる気が起こらないんだ」
「ならば、しなければいい」
「あのね、もうすこし、言い方があるだろう。ジョギングをするといいよとか、一緒に走ろうとかね」
「君は、誰かに進められないと、何かをすることが出来ないのかい」
「そんなことないんだけどさ、やはり、何かの同意を求めるじゃあないか」
「そんなの、必要ないね、だいたい、君が、やろうと思わなければ何も出来ないし、思っても、行動に移さないと何もできないん だよ」
「そんなの分かっているさ」
「ならば、何故、運動しないんだい」
「いや、それは、したくないからだね」
「ならば、しなければいいじゃあないか」
「そういわれてもね、やはり、太るし」
「ならば、食べなければいい」
「いや、食べて、痩せたいんだよ」
「ならば、食べて痩せればいいさ」
「何か良い食べ物を知っているかい」
「おいらが、食べておいしいと思う食べ物が良い食べ物だね」
「それは、なんだい」
「君が好きなたべものさ」
「うーん、肉か」
「君が、すきな食べ物が一番いいんだよ」
「それじゃあ、太るだろう」
「じゃあ、君が嫌いな食べ物を食べればいいんじゃあないかな、そうすれば、食べて痩せる事が出来るよ」
「なんだって」
「そういうことさ、じゃあ」
食欲、運動の秋です。 食べて、運動する。 なんだか、健康によさそうですね。 健康の秋。 なんて言ってもいいのかもしれません。 秋って、なにを言ってもいいのかもしれません。 たとえば、暑い秋、寒い秋、涼しい秋、暖かい秋。 すべて、秋に含まれるような気がしませんか。
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